血 便
血便があった場合、「痔からの出血だろう」と考えて
市販の痔の薬で様子を見るのは危険です。
血便があった場合には
必ず病院を受診し、
状況によっては
大腸内視鏡検査を受けられる
ことをお勧めします。
それだけで「大腸がんで命を落とす人」をかなり減らすことができる
のではないかと思っています。
血便の原因としてもっとも多いのは、やはり痔核(いぼ痔)と裂肛(切れ痔)です。
30代までの若い人で、裂肛や痔核からの出血がはっきりと確認された場合には、
大腸内視鏡検査を行わずに治療だけ行うことも多いです。

一方、ある程度の年齢(だいたい40歳以上)の方に血便の訴えがある場合には、
明らかに痔核や裂肛があって、ここからの出血だろうと考えられた時も、
通常大腸内視鏡検査をお勧めしています。
実際検査しても大腸には異常がなく、結局痔からの出血だったという結論になることが多い
のですが、時に大腸がんや大腸ポリープが見つかって命拾いをする方もいるのです。
特に身内に大腸がんの方がいる場合や、便通異常・腹部不快感・腹痛などの訴えがある場合
には、強く大腸内視鏡検査をお勧めしています。
また、目に見える出血がないのに便潜血検査が陽性
となった場合であっても、考え方は同じです。
「痔からの出血だろう」
と思わずに、
必ず大腸内視鏡検査を受けられる
ことをお勧めします。
排便時や排便後に真っ赤な血が出ているようなときは、痔が考えられます。
痔は、排便によって直腸の粘膜が傷つけられることで起こります。
痔による血便では、便の表面に少量の血がついていたり、排便後にポタポタ落ちたり、
ピューっと噴射状に出血したり、紙に血が付着していたりする点が特徴です。
内痔核は痔の60~70%を占めます。
排便時に真っ赤な血液がでるのが典型的で、痛みがないのが普通です。
外痔核では出血はみられませんが、
時に血マメ(血栓)を形成して激しい痛みを生じる事があります。
ただ痔かどうかは自己判断せず、他の病気でないことを確かめるために
医師の診察を受け、正しい治療をする必要があります。